ERPをIT初心者でもわかるように解説
こんにちは、ばらかん(@barakam63)です。
「ERP」という言葉は、SEをやっていると当たり前のように聞きますが、ITに馴染みのない方にはイメージしづらいかもしれません。
そこで今回は、ERPについてIT初心者でも分かるように解説していきたいと思います。
ERPとは
ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、日本語に訳すと「企業資源計画」になります。
意味としては、「企業で取り扱う情報をみんなで共有して、効率の良い経営をしましょう」です。
そして、ERPという考え方で作られたシステムのことを「ERPシステム」と言います。
IT業界では、ERPシステムを略してERPと呼びます。
現在では「ERPシステム」を導入している企業は多いですが、昔は別のシステムが主流でした。
ERPが生まれる前 -部門システムのはなし-
ERPシステムが生まれる前は「部門システム」というものが主流でした。
部門システムとは、営業部門は販売管理システム、経理部門は会計システム、購買部門は購買管理システムというように、1部門1システムで情報を管理する形態です。
この部門システムは、以下のような弱点を抱えています。
① 複数のシステムで同じデータ入力が必要。
② データの不整合が発生しやすい。
③ 経営状態をリアルタイムに把握できない。
パソコンの製造・販売を行う企業を例にしましょう。
もし、新製品が開発された場合には、販売管理システムと在庫管理システム、生産管理システム等で新製品の情報を登録する必要があります(作業の2度手間)。
また、複数システムで情報をメンテナンスするため、作業ミス等でデータの不整合が発生しやすくなります。
パソコンが購入されれば売上が発生するので、販売管理システムと会計システム、在庫管理システム等に登録が必要になります(作業の2度手間)。
もし、会計システムへの登録が遅くなった場合、現在の売上や利益を経営者はすぐに把握できない可能性があります(リアルタイムな状況把握が難しい)。
ERPシステムのすごいとこ
ERPは、1つのシステムで販売管理や購買管理、会計などのあらゆるデータを管理しています。
品目や取引先のような、複数部門が共通して扱う情報は共通のデータベースで管理します。
そのため、部門システムの「作業の2度手間」や「データの不整合」という弱点が無くなります。
さらに、リアルタイムな状況把握も可能になっています。
先ほどの例で説明すると、営業部門が売上を登録したらすぐさま仕訳が行われ、会計伝票が起きるので売上情報をすぐに確認できます。
このように、ERPシステムは企業全体の効率化を目指すシステムとなっています。
ERPのデメリット
ERPシステムは全体最適を目指すシステムですが、デメリットもあります。
わたしが考えるのは以下の2つです。
① 業務をシステムに合わせる必要がある
② 他業務への影響範囲が大きくなる
業務をシステムに合わせる必要がある
ERPはパッケージ開発で導入するのが一般的です。
そして、ERPパッケージは業務プロセスを標準化したものなので、「業務をシステムに合わせる」ことが必要になります。
そのため、現場からの不満がでることもあるし、慣れない内は作業効率が下がることもあるでしょう。
さらに、業務が特殊すぎてERP導入では実現できず、追加開発も発生します。
したがって、「業務をどの範囲まで標準化ができるのか」を検討する必要があります。
他業務への影響範囲が大きくなる
ERPはデータを一元管理しているため、共通で利用するデータが誤っていると影響範囲が大きくなります。
例えば、製品の情報であれば営業部門、購買部門、製造部門などあらゆる部門で利用します。
また、営業部門が売上情報を誤って登録した場合には、会計情報も誤った情報になってしまいます。
このように、一元管理することによるデメリットもあるため、情報の取り扱いはより慎重になる必要があります。
まとめ
今回の内容のまとめになります。
● ERPは企業全体の効率化を目指すシステム
● ERPシステムは部門システムの弱点を無くした
– 作業の2度手間が少なくなる
– データ不整合が少なくなる
– リアルタイムな状況把握が可能
● ERPのデメリット
– 自社の業務に合わない可能性がある
– データの影響範囲が広い
少しでもERPに関する理解の役に立てたら嬉しいです。
また、ERPには多くの製品がありますが、世界的にも有名なのがSAPになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは、('ω’)ノ
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